人はとても単純なもので
誰かの何気ない一言を自分でいいように解釈して
自信を持ったり、行動が変わったりします。
プラスにも
マイナスにも。
子供の頃に
「この子はやればできる子」と言われた人も
多いのではないでしょうか?
僕もその一人。
先生に言われた一言が友達があまりできなくても
自分はやればできるんだから、と自信満々に
学校に行っていましたね。
僕が19歳の頃。
勉強があまり好きではなくて将来やりたいこともわからず、
大学に行けば何か見つかるかもしれないと
予備校に行っていた頃。
そこでその後、30年も仲良くする友達に出会い
勉強よりもいろいろな新しい体験をする事が
面白くて遊んでいた頃。
それでも遊んでばかりいた自分にちょっと嫌になって
勉強も同時に頑張っていた頃。
僕が常連になって毎日行っていたハンバーカー屋さんの
店長のオヤジさんが言ってくれた一言が
僕の将来にわたっての根拠のない自信の源になりました。
それを言われたのはハンバーカー屋さんの隣の
3卓しかない雀荘でしたね。
僕もオヤジさんもそこの常連でした。
いつものように何気ない会話の中で
急に僕の顔を真剣な表情でのぞき込んで
「こいつは大物になるな、分かるよ」と言ってくれたんです。
今でもその表情は忘れられないですね。
いつもニコニコしていたオヤジさん。
あんなに真剣な表情は最初で最後でした。
その後に「善になるか?悪になるかはわからないけどな」と
笑っていましたが、とても嬉しかったですね。
そのハンバーガー屋さんは立ち退きなどがあり閉店し
僕は毎年大みそかにオヤジさんのお蕎麦屋さんに行って
年越しをすることが恒例となっていました。
子供が生まれてからは連れて行って
お昼に少し早い年越しそばをいただいていました。
その頃は息子さん、3代目に代わっていましたね。
子供達が付いて来なくなってからは
また夜に行くことになり、お酒を飲みながら
当時の仲間数人とアホな昔話をしていました。
オヤジさんは子供達がいるといつも千円札を子供達に握られてくれて「お菓子でも買いな」ってお年玉をくれていました。
渡し方がとても粋でした。
最近は年齢もあり、あまりお会いできていなかったのですが、
去年は隣の席でご家族で食事をされていたので
ご挨拶ができました。
いつも一緒に行っていた親友が去年天国に行ってしまったので
「あいつがいないと寂しいなー」なんて会話をして。
そして「オヤジさんも体に気を付けてね」なんて。
先日、そのオヤジさんも天国に行ってしまいまして
お別れとお礼を言いに行ってきましたが、
僕は今でもオヤジさんの言葉を心のよりどころにしていますよ。
オヤジさんはお蕎麦屋さんの2代目でしたが
今は3代目、4代目が素敵なお店を作ってくれています。
そうだ、またそば湯割りを飲みに行こう!!!
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