こんにちは。種屋の橋本です。
今日も引き続き、クレーム対応について書いてみようと思います。
クレームを解決するために一番考えなければいけないことは
なんでしょうか?
それは「そのクレームの本質」です。
物事は本質と現象に分けて考える必要があります。
クレームでいうと目の前でお客様が怒っていることや、
物が壊れてしまったことなどが現象です。
そしてなぜ、怒っているのか?が本質。
本質を考え、お客様の気持ちも考えて対応しないといけません。
お客様からクリスマス用に子供に買ったプレゼントが壊れていた、というクレームが入ったとしましょう。
お子さんはサンタさんからプレゼントをもらえた、と喜び
遊ぼうと思っていたら壊れていて動かなかったと。
この場合の現象はおもちゃが壊れていたとか、お客様が怒っている、
になりますね。
では本質はなんでしょうか?
お子様がサンタクロースを信じていれば、プレゼントはサンタさんが
いつもいい子にしていたからくれたもの。
自分が寝ている間に、トナカイのソリに乗って子供たちに配って
くれたプレゼント。
そんな子供の夢をお客様は大切にしていたかもしれません。
わくわくして開けたプレゼントが壊れていたら・・・
確かに、おもちゃを交換する、という現象の対応しかできないかもしれません。
ただ、お子様の夢を大切にする、というお客様の気持ちを考えたら もう一歩だけ寄り添った対応ができるといいかもしれませんね。
例えば、サンタさんから「ごめんね」とかいた手紙を添えるとか。
お子さんは交換商品とともにサンタさんからの手紙を
受け取ったら、きっと喜んでくれると思います。
自分だけ特別にサンタさんから手紙をもらえた!
そんな風に受け止めてくれるでしょう。
このクレームはお子様の夢を大切にしたい、というお客様の思いの
他にもう一つ、大切に本質があります。
それは、お客様は子供に喜んで欲しい、と思っている、ということです。
ですからお子様がサンタさんの手紙で喜んでくれたら、
今回のクレームは解決に向かうでしょう。
もしかしたら、そのお客様はあなたのお店のファンになってくれるかもしれませんね。
企業同士のお取引のクレームでは、基本的には
クレームの本質とお客様の気持ちを第一に考えて対応する必要が
ありますが、そこに建て前が絡んでくる場合があります。
僕もいろいろなクレームを経験していますが、
クレームの本質がこちらが思っているものとは違うことが
多々ありました。
特に相手が大手のお客様ですと、本音と建て前があったりしますので、バランスを考えながら対応しなくてはなりません。
これは、何度か対応していく中でのお客様との会話で
感じ取っていくしかありません。
かなり前の話ですが、あるお得意先様で、納品した商品に不良品が混ざっていることが発覚しました。
社内の検品があまく、生産時の汚れがついたままの商品が店頭に並んでしまった。
それまでの慣例ですと、良くて商品を一度、回収して検品をやり直して
できるものは修理し、良品となったものを再納品。
悪いと販売不可と判断して全品回収して廃棄です。
(良くて、とか悪くて、ということもちょっと不思議な感じですが)
勿論、こちらからは、不良品を納品してしまったことをお詫びし、
商品の回収を申し出ました。
しかしその時にお客様が判断した対応はというと…
何もせずに様子見、でした。
建て前は店頭に汚れの付いている商品は置くべきではない、ということですよね。
本音は・・・実はその商品は少々汚れがついていても良く売れていたんです。なので、検品の為などで売り場から下げてしまうと機会損出が
起こってしまう。
お客様は建て前ではなく、本音で目先の売上を望んでいたという
事だったのでしょう。
もちろん、再発防止のための改善は必要ですので、
社内では真摯に受け止め対応させていただきましたが、
お客様の本音は聞いてみないとわからない、
と感じたエピソードでした。
クレームはお客様の気持ちを考えられるか?によって
対応が変わりますし、結果も変わります。
相手の気持ちになって考えるって
仕事だけではなく、いつもいつも必要なことですよね。
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